チェックシート11


1. 漂白とは上記のカラー現像によって生じた [ 1 ] を除去することである.漂白は,基本的には [ 2 ] によって行われる.この過程が進行するかどうかを決めるのは [ 3 ] である. 2. 漂白の酸化剤には鉄 (III) 錯体が多用されるが,それらの持つ問題点として重要なものは [ 4 ] である.

解答と解説
穴埋め
[ 1 ] 金属銀.画像銀.
[ 2 ] 金属銀の銀イオンへの酸化.再ハロゲン化でもできた AgX 中の銀は 1+ に酸化されているし,漂白定着では Ag+ の錯体となっている.
[ 3 ] 漂白液の酸化還元電位が銀電位よりも貴であるかどうか.銀電位 E と漂白液の酸化還元電位 EB の間に EAg < EB が成り立つことである.この条件は酸化還元反応が自発的に進行しうるかどうかを示しているに過ぎない (堅苦しく言えば,自由エネルギー変化が負であるかどうかを意味している).したがって,あくまでも必要条件である (つまり,実用的な速度でおこるかどうかはまた別の検討が必要である).
漂白反応は,次の二つの電極過程に分けて考えることができる:
(1) Ag = Ag+ + e
(2) BR = BO + e
ここで BR および BO は漂白剤の還元体,酸化体を表している.実際に漂白が進むということは,(1) の反応が右向きに進み,(2) の反応が左向きに進むことである.したがって,この二つの半反応に対応する半電池を組み合わせて電池を構成した場合,(1)側から外部回路を通って(2)側に電子が流れるということになる.すなわち,EAg < EB であるときに反応は自発的に進行することになる.