10月1日分 練習問題

1. 可視光より短波長の電磁波については,波長でその光の性質を示すことが多い.
次の波長の電磁波のエネルギーを,J と eV 単位で求めよ.
それぞれの電磁波はどのカテゴリーに分類されるか.
95nm,630 nm,3200 nm


電磁波の振動数 ν,波長 λ と光量子エネルギーの間には E = h ν = h c / λ の関係がある.
ここで h は Planck 定数 (6.626×10-34 J s),c は真空中の光速度 (2.998×108 m s-1) である.
また,1 eV は電子一個が 1 V の電位差を横切るときに獲得するエネルギーであるから,1 eV = 1.602×10-19 C × 1 V = 1.602×10-19 J である.
以上より,各波長のエネルギーは,
95 nm : E = 6.626×10-34 × 2.998×108 / (95×10-9) = 2.1×10-18 (J) = 13 (eV) (真空紫外)
630 nm : 3.2×10-19(J) = 2.0 (eV) (可視)
3200 nm : 6.2×10-20(J) = 0.39 (eV) (赤外)

2. 赤外領域では波長の代わりに「波数」 (波長の逆数) を使うことが多い.
波数 3000 cm-1 の赤外線の波長とエネルギーを求めよ.


cm-1 は俗に「カイザー」と読まれ,波数の単位としてよく使われる (英語ではそのまま reciprocal centimeter とか wavenumber と読まれることが多いらしい).
波長 λ = 1/(3000 cm-1) = 3.3×10-4 cm = 3.3×10-6 m
前問の式より E = h c / λ = h c × (1/λ ) であるから,
E = 6.626×10-34 × 2.998×108 × (3000×102) = 6.0×10-20 (J) = 0.37 (eV)

3. マイクロ波領域より長波長側では「振動数」を使うことが多い.
次の振動数の電磁波の波長とエネルギーを求めよ.
2.0GHz,650MHz,42MHz


同様に,
2.0 GHz : 波長 0.15 m,エネルギー 1.3×10-24 J = 8.3×10-6 eV
650 MHz : 波長 0.46 m,エネルギー 4.3×10-25 J = 2.7×10-6 eV
42 MHz : 波長 7.1 m,エネルギー 2.8×10-26 J = 1.7×10-7 eV

ちなみに携帯電話の FOMA は 2GHz 帯,電子レンジは 2.45GHz の電波を使う.650MHz は UHF 放送の 42〜43ch のあたり.