理工系のレポートでチェックしてほしいこと

レポートの書き方,構成のしかたについては こちら も参照.

形式的にチェックできることは,とりあえずチェックして,クリアしよう.

こういう点ができているかというのは,学生実験のレポートではじつはかなり重要.中身と関係ないと思ってはいけない.いったん世の中に出れば,こういうことが守れていないレポートは,そもそも読むに値しないものと見なされる可能性が高い.論文だったら,「まず基本的なことを直してから投稿し直せ」と言われてもしょうがない.

0. 日付は年から書く

レポートだけでなく,実験ノートの日付も年から書く癖をつける.理屈抜きに脊髄反射で年から書くようになるべき.

1. 数値データの取扱い

誤差評価以前に,有効数字を処理できていない例が多すぎる.
有効数字3桁の読み取り値があったはずが,計算するうちに2桁に丸められて,さらに最終的な計算結果では4桁も5桁も出てきたりとかの例が非常に多い.

例:滴定量 2.35 mL → 濃度 4.2 mmol/L → xx の分析値 23.15 mg/L

1 と 1.00 の区別の付いていないレポートも多数.

有効数字については,こちら も参照.

2. 表

そもそも,図番号,表番号さえついていないものがかなりある.
キャプションもついていないものが多く,あっても「実験1の結果」のように具体性のないものも多い.

キャプションの位置は表の上.


なお,図や表が一つしかないときには流儀が二つある:
指定があればそれに従い,ない場合はどちらでもいいが,レポートの中で統一されていること.

3. グラフ

グラフの描き方については,こちら も参照.

縦軸は原則として下から上に向かう方向に軸名を書く(高校の理科の教科書にあるような縦書きの軸名は,世界的には一般的ではない).
軸名と単位をセットで軸の中央付近に置く.


グラフ用紙を使うときは,原則として余白には書き込まないように軸を取ること.
ただし,対数目盛のグラフ用紙だけはしかたがない.

4. 単位

単位は原則として SI に準拠する.

時間の単位は 時間,分,秒 ではなく,h, min, s.とくに理由がない限りは s に統一するのが基本.

反応時間が長い場合など,2 d とか 16 h とかはあり.ただし,1分20秒のつもりで 1m20s とか書くのは不可.m はそもそもメートル以外の意味では使ってはならないし,1kg20g のような書き方もありえない.時間も単なる物理量なのだから,他の物理量と同様に扱わねばならない.